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「豚がいた教室」実話の結末と生徒たちのその後は?

「豚がいた教室」実話の結末と生徒たちのその後は?

「豚がいた教室」の実話の結末を、原作になった「豚のPちゃんと32人の小学生 命の授業900日」の内容からご紹介します。

当時、「豚がいた教室」が話題になったことで、32人の小学生のその後にも注目が集まっていました。

担任だった黒川先生のインタビューに触れながらご紹介します。

「豚がいた教室」の実話の結末

豚がいた教室」は、「豚のPちゃんと32人の小学生 命の授業900日」を原作にしています。

「豚のPちゃんと32人の小学生 命の授業900日」は、著者である黒田恭史さんが、大阪・豊能町立東能勢小学校で実際に900日間に渡って行われた「命の授業」を基にして書いた書籍です。

「豚のPちゃんと32人の小学生 命の授業900日」の結末は、Pちゃんがトラックに乗せられて、食肉センターに送られてしまうというものでした。

4年生の頃からPちゃんを飼い始めた32人の生徒たちは、卒業を前に「Pちゃんを本当に食肉センターに送るのか」それとも「下級生に引き継ぐのか」で議論を交わします。

議論は熱を帯び、結果は16対16でちょうど半分に割れました。

そして結論は、この授業の発案者である担任の黒川先生の1票に託されることとなります。

卒業式の前日、黒川先生は、Pちゃんを食肉センターに送ることを決断します。

黒川先生は、「命の授業」から30年たった今でも、この決断が正しかったのかどうか結論を出せずにいるそうです。

そして、「命の授業」はこの時の一度限りであり、その後は行われていません。

ただ、東京都東久留米にある自由学園では70年にも渡り、同じように高校生が、自分たちで育てた豚を食べるという「食育」をテーマにした授業があるそうです。

Pちゃんを生徒たちは食べたのか?

食育センターに送られたPちゃんですが、結局生徒たちがPちゃんを食べることはしませんでした

当初は、「Pちゃんを飼育して、最後はみんなで食べようね。」ということで始まっていました。

しかし、「食べる」ということに関しては、最後の議論の結果”やらない”ことが決まったのです。

生徒たちは、「Pちゃん」という名前をつけてペットのように可愛がって育てました。

豚も人の顔を見分けることができるので、一生懸命に世話をしてくれる子供のところに寄って行ったりしていたそうです。

そのような仕草をとられると愛情がわくのは当然です。

それを食べるというのは、あまりに酷です。

ちなみに、「Pちゃん」という名前は、高橋留美子さんの人気漫画「らんま1/2」に登場する黒豚のPちゃんに由来しています。

「豚のPちゃんと32人の小学生」の生徒たちのその後

32人の生徒たちが成人する時、テレビ局は「もう一度みんなで集まって番組を制作できないか」と、黒川先生に取材を持ちかけたそうです。

これまでにも、黒川先生は同じように「生徒たちのその後」について、よく人から聞かれました。

そのような時、黒川先生は次のように考えたそうです。

「子供のころにこれだけの経験をしたのだから、他の大人たちとは何か違う人物に成長しているのではないか」といった教育効果を探ろうとしたものがある。

しかし、実際には「そのような違いはないだろう」とも考えていました。

そんな“教育効果”は全くといってよいほどないように思う。3年間よりも、その後の8年間の方がずっと長いし、もっと多感な時期であったことだろう。だから、Pちゃんのことが、全てに勝って大きな出来事であるはずがなかった。

このように、黒川先生は述懐しています。

「だったら、なぜPちゃんの命を使って、命の授業をしたのか」という意見が出てきそうですが、人の考え方や生き方を変えるには、それだけの長い時間と習慣が必要であり、「命の授業」のような大きなインパクトのある出来事は、あくまでもそのきっかけにしかならない。

そう考えると、「命の授業」に対して、賛否両論わかれるのは自然なことなのかもしれません。

まとめ

以上、「豚がいた教室」の実話の結末と、「豚のPちゃんと32人の小学生」の書籍に登場する生徒たちのその後についてご紹介しました。

日本は、一人当たりに換算すると、アジアで最も多くのフードロスを出している国です。

物質的に豊かになったことで、昔ながらの「もったいない」という精神はいつしか薄れてしまったようです。

最近では企業がSDGsを掲げて、様々な環境問題に取り組み始めています。

これから先もずっと、地球が生き物にとって快適に過ごせる場所であり続けるために、「豚がいた教室」にあるようなフードロスに関する意識を高める機会を持つというのは重要なことです。

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